地震直前の榛名山雪中キャンプ~その1~ [旅]
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かの雪中野宴中毒者達は今年も山梨の方で雪だるまを作る日程を調整していたが、とうとう日程が合わずうやむやになってしまった。せっかくボルトスパイクピン(フロントのみ)を交換した手前、中毒患者ではないがこのままでは惜しい。
幸い3月中旬とはいえ、雪は降るし、気温も低いときた。山奥まで行かなくても手軽に遊ぶくらいの雪はありそうである。赤城山か榛名山辺りでもいいんじゃないか?
そんなわけで、カラリと乾いた舗装路の林道入口にトランポを停め、一歩入れば雪だらけの林道を走って、雪の上に浮かぶ月を見ながらキャンプするという、都合のいいことだけを考えて、深夜輸送のトラックだらけの国道を北に向かうTSO(T)がいたのであった。
行き先はなんとなく榛名山とした。しかし都合のいい考えで行った榛名山南斜面に雪の気配はない。
しかしそのまま標高を上げ、榛名カルデラに入ると、榛名湖の周りは幹線道路には雪がないが、道の一歩脇はいい塩梅に雪景色だ。一面雪で真っ白で足跡一つない広いグランドには屋根と椅子付きの東屋があり、駐車場まである。ここだけでも無謀そうだった都合のいい考えが実現しそうである。
空は快晴、周囲は真っ白で心はウキウキであった。
榛名湖のゴーカート場横の駐車場に雪はないが、周りは雪だらけ。トランポを停めるとバイクを下ろした。
ビジターセンターと横の店以外はどこも営業してない榛名湖。榛名富士に登るロープウェイも点検のため動いていない。やってくるのは暇そうな人やカップルばかりだ。
スポーツカーでせいぜい景色を見に来たくらいしか用事がないであろうおっさん達が、バイクを降ろしている様子を見つけると「お、あんたやるねえ」などと声をかけてくる。ここにいる時点でおっさんらと大して変わらんって。何しろ榛名湖の看板の周りには車どころか足跡もろくにない。
戦闘機LANZAのタイヤは毎度お馴染みボルトスパイクタイヤ。
ただしリヤはもう磨り減ってピンは出ていない。車用チェーンが頼みの綱だ。
フロントは真ん中寄りのブロックだけボルトピンを交換した。トランポから降ろしてすぐ雪なので、トゲトゲは突き刺さるようにご機嫌。これから楽しみである。
だいぶ解けてしまっていた榛名湖周遊道路を一通り走り、榛名湖をのんびり見学。
人が入り込んだ形跡のない道を見つけ深雪アタックを楽しむと、昼飯をはさんで今度は榛名富士北側に圧雪道路を見つけ、ヘルメットカメラを装着して撮影などしながら雪道を楽しんだ。
一通り遊んだところでキャンプ地探しをした。
計画ではカラリと乾いた舗装路の林道入口にトランポを停め、一歩入れば雪だらけのところにテントを張るつもりだったのである。今まで行ったところでそれに該当するところは・・・あった!
深雪アタックしたところだ!
人が入った形跡がないので、安心して道の途中にテントを張ってみた。
一歩下がってキャンプ地を見ると、なんと「熊出没注意」が。
冬眠していることを願う。
キャンプ地から奥へ伸びる深雪アタックのタイヤの跡。
脇道も含めどこまでも続くので、適当なところで引き返したほどである。
天気はすこぶるいい。
テントが立つと暇。飲料を冷やしておくか。(下手すると凍る)
いい天気のおかげでテントの中はポカポカ。
暇なので昼寝してしまった。
ところが風が吹いてきてフライシートがバタバタうるさいので、風避けの土手を作った。流れが変わって下から巻き込む風がなくなり、バタつきが収まった。
日が暮れてくると勢いよく気温が下がってきた。テントの中が急激に寒くなる。特に底冷えがひどい。
今回冬用シュラフ(いつもはTSO(K)から借りている)は持ってきておらず、しかもホッカイロもないことがわかった。夜乗り切れるだろうか。
今回トランポのすぐそばの雪豊富なところでキャンプという、あまりにも都合のいい考えで来ている。
写真では人気のない山道の途中に野営したかのように見えるが(そのように狙ったので)、計画に従い、実はカメラを反対に向けるとトランポがすぐ近くにあるのであった。
シュラフもかさばる封筒型2つと、いつものダウンの夏用ペラペラの3つを持ってきていたというのも、いかにもトランポを頼った装備だ。そんな根性だから無理に外のテントで寝るのはやめて、トランポのテントで寝ることに早々と方向転換した。
ウチのトランポはホワイトハウススペシャル・ライジングデッキ。車の屋根にテントが立ち上がる仕掛けである。テントなので野外で寝るのとさして変わりないが、こっちは底冷えがない。
日が暮れ切る前に雪上のテントは畳んでしまった。
日が暮れたところで、トランポの影で晩飯の支度開始である。
メニューは味噌ラーメン。この汁に乾燥唐辛子2本と、家に残っていた古いキムチを放り込んでやたらと辛くし、まずはこの汁にキャベツもちぎり放り込んで、豚のしゃぶしゃぶを始めた。
豚しゃぶうまい。キャベツもうまい。麺も放り込んでうまい。モヤシもあったっけ。乾燥唐辛子は2つに切って放り込んだが、それがよかったようでやたらと辛い。周りは相当な寒さなのに汗をかきそうである。
辛くて熱いから、思わずビールに手が伸びる。
冷たくてうまい!
ぷはーっと言いながら車の横に立って空を見上げる。日暮れから雲が出てきていたが、少しずつ雲は少なくなっていて、星がどんどん増えてきている。背後に榛名富士。榛名富士の上に北極星があった。反対側にはオリオン座。西の空には三日月が浮いている。榛名富士の横では流れ星が飛んだ。
また鍋を突っつき、口と腹が熱くなったところでまたビールをぐいーっと煽り、ぷはーっと言ってまた星を見る。
カシオペアがどんどん榛名富士に隠れていっている。
ビールはシャーベットになってきた。ということはきっとマイナス10度近くきているだろう。
寒さに負けないために相当食ったので、腹がはちきれんばかりである。
21時前であったが、食い終わってしまうと一人ではやることもないので、寝床作りに入った。
封筒型シュラフ2枚重ねに、さらに夏用ダウンシュラフを入れて、実に3重シュラフ。オーバーパンツやジャケットは脱いで枕になっている。足が寒くないだろうかと心配したが、夜中足先は暑いくらいで快適であった。
キャンプするとなぜか夜中やたらと喉が渇くので、枕元に水のペットボトルを置いておいたが、これはほどなく凍ってしまった。
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